2012年8月8日水曜日

Tiny Tim/God Bress Tiny Tim


Tiny Tim/God Bress Tiny Tim



レフティのウクレレを弾き、ファルセットとバスの声を使い分ける太い眉の小太りの鷲鼻おじさん。

これだけを見ると一瞬イロモノ?と思えてしまいます。確かに彼はイロモノかもしれませんね。
エキセントリックな表情、クネクネとした動き、長身から飛び出す優しいハイトーンボイス。今回紹介するのは唯一無二のキャラクターでアメリカのモンド・ミュージック界を牽引したタイニー・ティムです。

60年代初頭、映画に出演した事をきっかけにアメリカ中に「あいつは誰だ?」と注目を集めはじめた彼は、エド・サリバン・ショーに出演。68年リプリーズ・レコードからファーストアルバムを発売します。プロデューサーは先日亡くなったキャプテン・ビーフハート、リンゴ・スターなどを手がけた職人、リチャード・ペリー。
売り上げも申し分無く、その年のビートルズのクリスマスレコード(毎年ファンクラブ向けに出していたソノ・シート)では「ゲストを紹介します、タイニー・ティムです!」とジョージに紹介されてしまう位席巻していたそうです。







彼のもうひとつの特徴と言えば演奏する曲のほとんどがカヴァーと言う事です。
主にアメリカの古き良きポップスやミュージカルナンバーをこれまたアメリカンなアレンジが光ります。上に貼付けた"Liveng in the Sunlight Loving in the Moonlight"もバリバリのアメリカン・ポップス!68年当時の一番良いアレンジがされていると個人的に思います。


常にこのオゾマシイ(良い意味で)キャラクターを突き通したティムは60'sモンド・ミュージック界を引っ掻き回したあとロックカヴァーに挑戦したりしながらドサ回りアーティストとしてその後活動します。
96年、マサチューセッツのホールでライブしていたティムは自身の代表曲"Tiptoe Through the Tulips"を歌い終わったあと、心筋梗塞に倒れ運び込まれた病院で亡くなります。

亡くなってから16年が経ち、すっかり皆から忘れられてしまったのでしょうか?
確かにYoutubeのコメント欄には「Who is "Tiny Tim"?」と書かれていたりしますが、確かにフォロワーはいる訳でして去年アメリカ人のジェームス・ワンが監督が製作した"Insidious"という映画で、さらに言えばスポンジボブの第一話でも彼の曲が使われています。
いつの時代も常に「楽しませるキャラクター」を貫き通した彼は言うなれば「隠れた偉大」なのです。

かずや


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