2012年11月18日日曜日

Luiz Bonfá/Le Roi de la Bossa Nova (Cristal)


ボサノヴァギターの名手といえばジョアン・ジルベルトやバーデン・パウエルが真っ先に上がります。今回は彼らよりも少し早く、まだボサノヴァという言葉が作られる前から活躍しボサノヴァギターの至高と謳われたルイス・ボンファを紹介します。

ルイス・ボンファの魅力は6本の弦と10本の指から生み出される音の幅広さ。もっと言えば、一台のギターでリズム、ベース、バッキング、メロディを全てやってのけてしまうある意味トンデモな方なのです。とりあえずこちらの動画で自ら説明も行っているので、ご覧下さい。



さて、今回紹介するのはオリジナルアルバムですがブラジル録音ではなく、1962年映画のサントラを録音する為に訪れていたパリでの作品。誰しもが聴いた事のあるカーニヴァルの朝やオルフェのサンバなどは入れず、終始3分弱の長さの安定した曲が並びます。





ボンファ自身の左手のどアップをジャケットが衝撃的ですね。僕もこのジャケットに一目惚れして買った思い出があります。





ここでは絶好調時代であった彼の超絶的ともいえるワザが随所に垣間みれるのですが、そのワザに驕らない非常にクールで渋いものとなっております。アルバム全体を通して彼自身の歌が聴けるのは6曲、あといくつか豪華なバックを従えた曲とギター+パーカッションのシンプルな構成曲等々ひとつのアルバムで色々な演奏と色を聴く事が出来ます。では一曲。




ボサノヴァはよくカフェやおしゃれな雑貨屋でかかっていますね。
確かにボサノヴァの源流から考えればそういった余裕のある場所でかかることは間違っていませんが、"ボサノヴァ=オシャレ"から一回離した部分でこの音がギター一本で鳴っているのかと考えながら聴いてみて下さい。
絶対ボサノヴァという音楽の視野が広がるはずです!!

かずや